戦争、貧困がいつまでも続く理由がある

「ショックドクトリンー惨事便乗型の資本主義の正体を暴く」、上、下巻、ナオミ・クライン著、岩波書店、2011年発行2013年までに9刷、幾島幸子、村上由見子訳、原注までいれると760ページ。

この本の概略

この本は惨事便乗型資本主義複合体という視点で世界の政治、経済活動を切って見せた書といえる。ある意味グローバリズムの問題点を明確に描いている。著者30代の作品とは思えない力作である。

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日本が戦争をするとすれば

「日本は戦争をするのかー集団的自衛権と自衛隊」半田滋著、岩波新書、2014年発行

まさにこの本は、集団的自衛権とはどのようなものか、憲法上はどのような問題を抱えているか、一応この部分が理論編という事になり、これに対して現実的に自衛隊がどのようなことができるのか、どのようなことをこれまでしてきたのか、というように実践編となっている。

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シリア内戦理解の為に(2019年)

「シリア・・・アサド政権40年史、アサド政権ははなぜつぶれないのか。」

国枝昌樹著、2012年発行、平凡社新書

この著者はエジプト大使館、在ヨルダン大使館、在シリア大使館(2006-2010)大使館の一等書記官など歴任。2010年に退官。

シリアには問題の時期に足かけ5年いたことになる上、エジプト、ヨルダンの大使館勤務であるから中東情勢には詳しい。

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ヘーゲルを読めるかまたは読む意味があるのか

「哲学入門」ヘーゲル著(1809-11年に書かれた、ドイツでは1840年に出版)、武市健人訳、岩波書店発行1952年1980年で30刷。(岩波版はドイツ出版後110年後である)

古典中心

70過ぎてから、読書にも時間の制約あることを知り、何でもかんでも読める時間はないと悟り古典に集中していこうと考えて読み始めたのがこの一冊である。哲学の本については、まじめに一冊を読んだことはほとんどないが、ハインリッヒハイネの「ドイツ古典哲学の本質」岩波文庫版は読んだ。これは哲学の本であるが、哲学そのものではない、哲学の歴史的流れである。ハイデッガーの場合もそうだが、読み始めると何を言っているのかわからなくなるがゆえに、途中で放り出してしまう。読みたいのだけれど何を言っているかわからなくなる。このヘーゲルの本もそういう面はあった。なので本の途中から読めそうなところだと思ったところから読み始めた。すると最後まで行けた。分からないところは飛ばして行こうと思ったが、そういう個所は少なかった。また戻って読んでない個所を読み始めるといった変則であったが一応読みこなした。理解されているかはまた別ものではあるが、こんなものを読む人がいるのかというくらいの古典である。

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続、ヘーゲルの哲学からわかった重要なこと①

1)ヘーゲルとその時代、権左武志、岩波新書、2013発行、800円

ヘーゲルの「哲学入門」(岩波文庫)をよんだので、理解を深めていこうと思って手にした。

また、この「哲学入門」を読んで後で気づいたことがある。それは、我々の何かを知る、何かを見る、何かを考える、何かを表現する(認識と表現)という作業をするときに、西洋の認識や表現の仕方と日本及び東洋では違うのではないかと感じる。(これはヘーゲルの哲学入門のコメントでも書いた。)西洋には典型的に遠近法で精緻に描かれる絵画の技法がある。日本もないことはないのであるが、遠近法のシステムにはなっていない。こういう違いが、物を見るときや、知るとき、そしてさらにそれを表現するときに違ってくる。西洋との差がこのヘーゲルの哲学に潜んでいるような気がした。

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続、ヘーゲルの哲学からわかった重要なこと②

権左武志、「ヘーゲルとその時代」、岩波新書、2003年、800円

この本はまた別のことで重要性を持っている。認識の哲学のことは少し置いておいて、マルクスへの批判が提示されている。どういうマルクス批判かというとロシアや東欧で起こった革命の結果が共産主義独裁的、思想統制的、民衆に対する抑圧のシステムとなった契機にこのマルクスの考え方があるという。

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フランクル、人生の一番重要なこと

フランクル著、夜と霧、(ドイツ強制収容所の体験記録)みすず書房、1961年発行、正確には本書の題名は「強制収容所における一心理学者の体験」

1、テーマはナチへの告発ではなくて

この本をいま冷静に読んでみると、ナチズムへの告発というような本でないことがよくわかる。ある意味極限状態に置かれた人間が最後は何をよりどころとして生きていけるのかというテーマだ。また、そのよりどころとなるものというものが何という平凡なものであるかという事だ。一言で言えば生きてる限りコミュニケーションが必要だという事である。実際この本にはそうは書いていない。これは飛躍しすぎかもしれないが、言外にそういうことを言いたかったのではないか。なぜかと言えばなぜか私は読後すぐいろんな人と会話したくなった。また見知らぬ道行く人にこんにちは、と声をかけたくなった。そしてまた何かを一緒にしようよという事を恥ずかしがらずにできそうな気になった。簡単に今コミュニケーションという言葉を使ったが、はっきり言って、他人に親しい声を発するというのはなんと難しいことだろう。今の今までそう思っていた。というのは個人個人は鎧で自分の精神を固く閉じている。また別の言葉で言えば個人個人は断絶している。この断絶や個別にされている鎧を壊すのは親しみのある声でこんにちはという発声する言葉である。神は光あれといった。これも発声した。あるいは叫んだと創世記には書いてある。これと一緒だ。全く同じだ。最初にこんにちはと親しみの声で発声する。これが生きるための単純な真実ではないか、と思えるようになった。別にこんにちはではなくとも言い。この個別化された鎧を壊してくれるコミュニケーションの言葉であればいいのである。

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二つの自由に関する近代化の人間的基礎

大塚久雄、近代化の人間的基礎、岩波書店、全集第8巻、1969年第一刷発行

(この本は筑摩書房刊、1968年発行、であったが、大塚久雄著作集に第8巻に入った。)

1、紹介

大塚久雄は戦前戦後の経済史家として超有名。しかし大塚は終わったと言われて久しい。経済史もグローバル経済史であると言われ、資本主義発生史論のような問題意識がなくなってきたためとも思われるが、当時から近代主義者、イギリス基準の歴史観と批判され、また今は大塚の言説が戦前戦後で一貫していず、総力戦の戦時経済の旗振り役であったような批判もまたたびたび出てくる。日本では珍しいほどの経済史の専門家でありながら時事的な問題まで含めて経済史の視点から取り上げてくる思想家でもあった。食うや食わずの終戦後の世界と今では問題意識が変わる。経済そのものの見方も変わってくる。そういう意味でも古くなるという言い方はあるし、歴史的な見方が変わることによって、論調も変わってくる。

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現代の自律する主体の形成とは

「日本の個人主義」小田中直樹、ちくま新書、2006年発行

1、なぜこの本を読むか

これは、大塚久雄の近代化の人間的基礎、を読んだときに現在大塚の批判はどうなっているのかというのを知りたくて、関連本として読み始める。大塚批判の本をインターネットで調べると結構多くて、内容も千差万別であり、多くは大塚はもはや時代遅れである、また彼の学問は学問といえる代物ではなく説教だというものもある。

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甘えの奥深い考察

「あまえ」の構造、土居健郎、弘文堂、昭和46年初版(1971年発行)奥付を見るとその後11年間に133刷というので、驚異的な発行部数であっただろう。インターネットに載っていたのは20年間で150万部、英仏独ほかの6各国で翻訳されているという。(これで計算すると1991年に150万部だからそれ以後もあるのでさらに上乗せされていることだろうと思う。これはまさにベストセラーである。)

1、この本を今更なぜ読む?

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