読書ブログ251106
井上光貞著「天皇と古代王権」岩波現代新書、吉村武彦編、発行2000年10月16日

この本は
彼の著作集の中から代表的な古代史に関する論考を何篇か取り出して編集したものだ。
内容は結構難しいものである。そのなかの第一編にある「日本における古代国家の形成」という章を取り上げる。ほかの章に比較して一般論を展開しているためである。
ほかの章は非常に細かい史実を積み重ねているが実のところそんなに分かっていないことの積み重ねである。古代史の限界というか、わからないことが多い中での資料と資料との間の隙間を想像して埋めるしかない事情というもののためにいくら研究してもその分からないという感じはどうしてもぬぐえない。結局は日本書紀と古事記、それに外国、特に中国と韓国の宮廷資料、一部の石碑などからしか証拠的なものが出てこないので仕方ないというところである。いくら古代国家成立論というものを大見出しにしても実のところそこがはっきりしていないということが色々な本を読んでみて私には最近分かってきて納得しているところである。

