村木厚子の事件を振り返って

260425村木厚子関連の読書ブログ
「私は無実です、検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日」今西憲之+週刊朝日取材班著、朝日新聞出版、2010年9月

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この事件の概略
この事件は2010年に発覚した。その前から凛の会という身体障害者の偽の団体があり、その団体が郵便料金を不正に格安にしてもらうために、厚生労働省から身体障害者団体である認定をえてその認可を受けた。これにより3億円余りの利益を享受した。その主役が当時課長だった村木厚子が主導したとされ、2009年6月に逮捕、そこから約5か月勾留、2010年9月に無罪判決。

村木厚子という人物
事件自体は5年前にさかのぼるような出来事であった。当時は課長、逮捕された時には、厚生労働省雇用均等、児童家庭局長となっていた。地方大学出身で局長、最後は事務次官まで行った。こういうことはまれであることが言われている。

関係者
当然いろいろな検察、特に大阪地検また辣腕弁護士の弘中惇一郎(この方は大きな事件で無罪を何度も勝ちとった有名弁護士)など

冤罪の原因
検察が功を焦ったこともあり、政治家がらみの大汚職事件として立件したかった。
しかし関係者の多くは誘導された検察のストーリーに沿った調書にサインをして、検察のストーリーがそのままこの事件と村木厚子の犯罪を構成してるかのような筋書ができていたが、大事な所で大きなミスを犯していることが判明、特に事件の入り口である、凛の会の関係者が政治家に頼みに行ったとされた日にその政治家はゴルフ場にいてあえるわけもなかった。また検察のフロッピーディスク改竄もばれてしまった、などという明白なでっち上げの証拠が出てきて最後は無罪となった。

最近
日経新聞の今年(2026年)の3月の「私の履歴書」はこの村木厚子さんだった。わたしはぜんぶはよんでいないものの逮捕される日の生々しさなどがこの履歴書には出ていた。この事件はある程度知ってはいたものの本来的にはどういう事件だったのか、もう少し詳しく知りたくなった。また、まだ読んではいないが、最近「驚きの刑事司法」村木厚子著、講談社現代新書が出た。
さらにユーチューブでも取り上げられている。

①豊島晋作  東京テレビ  対談 村木厚子、約一時間半くらいか
②高橋弘樹 REHACQリベラルアーツ、対談村木厚子 約一時間
③また冤罪事件の問題について最近自民党と政府の間でもめてていて閣議決定が先延ばしになった。(自民党の稲田朋美議員の乱とも呼ばれている。ニュースで彼女が怒鳴ってる姿を見た人も多いとは思う。)

内容
この朝日新聞の本は、判決直前に出版されたものであるが基本的には大きな間違いもないと思う。現在も骨格はこの本にあるものだろう。詳細にはもっとわかってきていることも多いが。構造はそう変わらないと思う。

しかしいろいろな話を見聞きするにつけ、この事件は何を物語っているのか。
①検察の横暴、調書の検察側のストーリーに沿った作成
②平和に暮らしている普通の人が突然この警察沙汰になることの問題
③冤罪
④再審問題

最初は村木厚子さんという優秀な事務次官までやれる人が突然逮捕されるという悲劇を中心に感じていた。拘置所に入って160日余り独房にいたらしい。そういう悲劇性が常に感じられていた。しっかりした女性だったんだという感想を述べる人は多いだろう。また検察がいろんな人の弱身に付け込む手口、保釈金を下げてやるとか、執行猶予にするから認めろとか、ほかのことで引っ張られないようにしてやるとかあの手この手でうその調書をとる。検察に都合の良い調書を取る。それが裁判では有効だ。
 (私もデンカにいた若いころにセメントの談合事件というのがあって、ある営業マンの人の手帳が押収された。それによって談合事件はわがデンカにも及んだのである。多くの業界はまだまだこういう談合をしてると思われるので検察では、はっきりすればいつでもつかまえることができる棚に上がっている案件であることは間違いがない。手帳を持っていかれた方は最後は自殺された。この時いろんな話を聞かされた。何時間も密室で、今お前が吐かないと、お前の家族がどうなってもいいのかとか、といわれたというような事も恐ろしい話としてひそかに聞いていたものだ。)
静かな日常から突然の非日常、それも司法という聞きなれない世界へ連れていかれる。個人的には絶対に経験したくないものである。

しかし袴田事件、大川原化工機事件があった。大川原は特に最近の問題で関係者の方は冤罪でかつがんに侵されていたが裁判所も検察も許しを出さなかったの、結局は牢屋で亡くなられた。これは最近のニュースだから覚えている方も多いはずだが、逆に裁判官が訴えられている。

この本の読後、これから

こういう事から司法世界全体を問題と感じるほかはなくなってきている。検察の組織としての問題はあるにしても、法律。裁判、検察。勾留、再審という全体を問題視しないといけなくなってる。特に最近知ったことではあるが裁判官が無罪にするというのは本当に難しいようだ。かなりの努力が必要だ。かつ検察の立件した事件の検挙率は99.9パーセントだそうだ。
一つ一つに破れがある。頭のいい人がたくさんいる場所ではあっても基本的な思考能力がないという人も多い。やはり、こういう専門人は広く考えることができない場合も多い。いくら頭脳が優秀でも専門知識としても優秀さである。しかし司法界の大組織、給料をもらってそれを専門にして働いている人たちの組織と争うということは容易なことではない。

投稿者: daiuema

昭和24年東京の浜松町で生まれ、3歳の時引っ越しし千葉市の幕張で育ちました。大学卒業後今のデンカに入りほとんど営業一筋です。ゴルフは31歳から始め現在南総カントリーのハンディ11

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