現代人はどう考えるか、エレミヤとハナニヤの争い
エレミヤ書27章から28章ハナニヤという預言者との争いについて書かれている。この争いの本当の問題点は何だったのか。
ATDエレミヤ書(A.ワイザー著)の解説から簡単に説明したい。ユダ王国の最後の王ゼデキヤの時代。その前の王であるエホヤキム(残忍な王として有名)はバビロニアに反抗したため敗北し、当時の高官とともにバビロンに連れていかれ捕囚民となった。バビロニアはユダに王がいなくなったので自国に都合の良い王としてエホヤキムの叔父ゼデキヤを擁立した。この王は、どうもリーダシップを発揮するような王の威厳を持ったタイプではなかったようだ。
この時代は、バビロンからの圧政によって重税を課せられていた。そういう状況から国粋主義者たちがこの王を持ち上げてバビロンに反抗し独立を勝ち取ろうというように仕向けていた。さらに近隣諸国がゼデキヤを誘って独立をしようという相談に来ていた。その時にエレミヤはその近隣諸国の小国の大臣たちに対して、行動予言をする。それは自分の首に木のくびきをつけて現れ、諸国の大臣たちにバビロニアに犯行を企てるのはヤハウェの考えではないし、愚かなことだ、と。そしてこのようにくびきをつけられてバビロニアに引かれていくことになる、とヤハウェの預言者として語った。またゼデキヤの前にも同様に出て行った。一方でこのエレミヤに反抗する国民や近隣小国の大臣たちの企てを支持するのがこのハナニヤであった。そういう人たちの代表の預言者だ。解説者のワイザーはこの予言者を救済預言者という言葉を使っている。しかし、歴史的にはエホヤキムも同じように反抗して捕まったのであるから、冷静に考えれば、エレミヤのほうが正しいだろう、という推測はつく。しかしハナニヤの方は神殿の奪われた器が戻ってき、また囚われの王たち高官もみんな戻るというおいしい話ではあった。これを人間的といって良いのか、わからないが、人間的な発想であることは間違いない。
政治的に考えると独立と従属の争いだ。
いわばユダは独立の王はいるもののバビロンの属国であった。この属国の救国問題として二人の対立があるのである。
一方のハナニヤは救国戦線である。国民の民族独立の運動の思想的基盤になっていた。エレミヤは独立不可でバビロン従属路線である。これをどう見るか。
わたしが、これまで見てきた多くの思想家と同様、今に残る思想家は案外保守的であった、ということがいえる。(ホッブス、エラスムス、ウェーバー等々)だからここでも、本当に国を守るということはどういうことなのか、というテーマと信仰が重なっているように見える。明らかにハナニヤの考え方は人間的にみればありうるのだ。しかも、多くの人の共感を得る立場であった。しかしエレミヤの立場は国民が嫌がる、納得できない従属の路線である。いかにも厳しい重税という貢物をバビロンに持っていかざるを得ない。こんなに苦しいことを神が言うのだろうかという不安もよぎる。なお歴史的には明らかにエレミヤの言うことが正しいのである。イスラエルという国はそういう意味では長い歴史の中で手痛い失敗を繰り返してきている。ハナニヤのことに関しては、しかしこれは28章を見ると決着している。ハナニヤはエレミヤの予言通り年内に死んでしまったのである。
正しい考え方とは
ここに大きな問題がある。一見正しそうに見える考え方と神の言葉をどう整合性をとるのかという現代人には要請されそうな事態である。これはパウロが支配者の権威には従えということをロマ書で言っているがこれと同様な問題をはらんでいるだろう。単純に信仰のみといえるのか、正しいということが、神の言葉だということで現代に通用するのかを含めて考えさせられる個所ではないか。香港問題などクリスチャンはどのように考えるべきなのか?
しかし、しかしユダ国はこの後滅亡したのである。本当の危機認識と本当の対策と本当の言葉が必要だ。簡単ではない。歴史が決まる。2000年の歴史が決まる。
ハナニヤは偽予言者でした。何か悪いことが起こる予言があっても、そうゆうものを打ち消して【良きことしか起きない。良きことのみが起きるのである】ということを語って、まあ、その当時としては、一世を風靡していました。それで、けっこう、人々の信頼、身分のある人の信頼を集めていたのです。しかし私は思うのです。目前に起きるであるう悪しき事を、ただ単に、目に被いをかけて黙っていればそれでよいのか。そうした危機の時代が来るならば、私たちは、来るものは来ると言った上で、それなりの覚悟を決めてやっていくべきではないのか?人類の危機はせまっているのです。ここ10年15年程度で何らかの現象化はしてくるでしょう。では皆さんはどうする?日本のある都市に壊滅的なことが起きるなら?どうします?そうした国情となり、世界情勢となったときにさてどうします。何を求めます?どこへ行きます?どう行動します?まったく、その日まで何の予期もしていなかった人たちは、どうなりますか?何を頼りに行くのですか?どちらに行けばよいのですか?未来の光が見えていなければ、人々は狼狽するというのがみえているのであります。
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