賢さの問題を指摘している創世記

創世記3章の蛇の問題、これは月本昭男先生(旧約学、オリエント学)によると賢さの問題を創世記の作者は問題にしているという事のようだ。つまり最初にこの世で一番賢い動物としての蛇というのをさりげなく出しておきながら、神の裁きでは呪われることになる。

その場面を抜き書きすると「1、主なる神が作られた野の生き物のうち最も賢いのは蛇であった。・・・・6、女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるようにそそのかしていた。・・・・・14、主なる神は、蛇に向かって言われた。『このようなことをしたお前はあらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で呪われるものとなった。お前は生涯はい回り、チリを食らう。」

2、賢いの意味について

①この最初の蛇の1節での形容している「賢い」は、ヘブル語では、ずる賢い、と訳してもいいような言葉を使っている。如才ない、わる賢い、巧妙な、器用な、などの意味がある。サムエル上23:22でダビデの行動をサムエルが彼は非常に賢いと評している。この賢いも巧妙という意味もある個所である。箴言15:5、19:25、は普通の賢さという言葉であろう。ヨブ記5:13はさかしい、という訳語になっている。

②一方で、6節の「賢くなる」、の賢いは、ヘブル語では非常に良い意味でつかわれる言葉である。分別ある、用心深い。献身する、傾倒するという意味もある。エレ3:15、箴言19:14賢い妻は主からいただく、などで大体いい意味である。

3、この個所の結論として

①これは、何を言わんとしているのか。蛇の賢さと人間の賢さの基準が違うのか。エヴァの見方が、そういう良い意味での賢さを考えていたともいえる。

②また重要な指摘としては、この賢さの問題を真剣にとらえたと思われるのが、蛇の賢い=アルム、最後の蛇の呪われる=アルルであり、語呂合わせをして強調しており、最も賢い、もっとも呪われる、は同一文体にしてある、という。(月本訳、岩波、創世記、同箇所の注参照、)

いずれにせよ、賢さの逆説的意味まで垣間見せる創世記のテクニックと考え方の奥深さが示唆される個所である。

投稿者: daiuema

昭和24年東京の浜松町で生まれ、3歳の時引っ越しし千葉市の幕張で育ちました。大学卒業後今のデンカに入りほとんど営業一筋です。ゴルフは31歳から始め現在南総カントリーのハンディ11

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